TCFD提言に基づく情報開示
当社は、2021年2月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。
気候変動は、干ばつや森林火災、集中豪雨、大型台風、土砂災害などの異常気象を増加させる原因となります。また、木材原料やその他の原材料の調達に影響を及ぼすほか、当社グループの所有する森林資産の価値を棄損するリスクになります。
そのため、当社グループでは、気候変動の問題に率先して取り組んでおり、業界で先駆けて、CO2の発生が少ないガスを使用した高効率タービンの導入や、バイオマス燃料などへの燃料転換の設備投資を進めてきました。そしてこの25年間で約500億円のCO2削減のための設備投資を実施し、CO2ゼロ・エネルギー比率を業界トップレベルまで高めることができました。
また、業界において、CO2効率性が相対的に高い(CO2排出量原単位が少ない)事業運営を実現しております。さらに環境経営の一環として、2020年11月には、2050年までにCO2の排出を実質ゼロにする「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、環境経営の推進に努めております。
ガバナンス
当社グループでは、気候変動対策を含めたサステナビリティ課題が経営の最重要課題であることを経営層全員で共有し、積極的且つ能動的に推進していくため、グループサステナビリティ基本方針を制定し、@気候変動対策の推進、A環境に優しい原材料の調達、B環境負荷の低減による地球環境への配慮をマテリアリティ(重要課題)として掲げております。
そのうえで、代表取締役社長CEO直轄のグループサステナビリティ委員会において、基本方針、推進目標の策定と進捗管理などを行うとともに、同委員会で決定した事項は、取締役会へ報告を行う仕組みとなっています。
また、継続的に環境保全活動に取り組むことにより、地域社会及び地球環境の保全を図り、グループ環境憲章の理念及び基本方針を実現することを目的として、グループ環境委員会を設置しています。
グループ環境委員会では、@グループ環境戦略(当社グループの中長期的な環境目標及び行動計画)の立案及びその進捗管理、A 当社の環境管理及び総合的な環境保全対策の検討及び推進等についてのグループ環境戦略(案)を策定しています。代表取締役社長CEOが出席する経営執行会議における審議を経て、気候変動対策に貢献する各種環境戦略を推進しております。
戦略
当社グループでは、 1.5℃〜2℃シナリオ(IEAのSDS等)や4℃シナリオ(IPCCのRCP8.5等)をベースに、気候変動がもたらすリスクや機会を分析しております。
主要なリスクや機会は、以下の通りです。
リスク管理
当社グループでは、気候変動に起因するリスクを重要なコーポレートリスクとして認識しております。
そのため、グループリスクマネジメント活動において、当社グループを取り巻く内外のリスク環境を調査する際は、環境に関するリスク項目に気候変動に関する事項を加え、リスク調査を実施しています。そのうえで、リスクマネジメント基本計画書を作成し、リスクの回避・低減・移転等の対策を推進しています。
また、当社グループのコーポレート・ガバナンスの強化、リスクコントロールを主とした内部統制の強化、コンプライアンスの徹底等を図る目的のもと、代表取締役社長CEOも出席して開催されるリスクマネジメント・オフィサー会議において、当社グループの気候変動対策をはじめとしたリスクコントロールを実施しています。
指標・目標
当社グループでは、2050年までにCO2の排出を実質ゼロとする「ゼロCO2 2050」の達成をめざします。
2022年の当社のCO2排出量は64万tになりました。2005年を基準にすれば、37%の削減となりました。
今後は、パルプの製造工程や回収ボイラーで使用している重油の燃料転換など、一層のCO2削減対策を進め、2050年の実質ゼロへの挑戦を続けます。