気候変動問題への対応
当社は、環境負荷を軽減するエネルギー対策をはじめとして、気候変動を抑止する取り組みを積極的かつ能動的に推進しています。
CDP気候変動レポートにおいて「A-(Aマイナス)」の評価獲得
当社は、国際的な非営利組織CDP※1より、気候変動の分野に関するコーポレートサステナビリティにおいて透明性とパフォーマンスにおける最上位レベルのリーダーシップが認められ、2022年度「A-(マイナス)企業」に選定されました。
CDPは、世界の企業や都市に対して、気候変動対応の戦略や温室効果ガス排出量削減の取り組みなどを評価する世界有数のESG評価機関です。 各社の情報開示の包括性・リスク管理・高い目標設定・リーダーシップ等の情報から、独立した手法で企業を評価し、「A」から「D-(マイナス)」までのスコアを付与します。その評価プロセスは、気候変動に関する情報開示の枠組みであるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言にも準拠しています。
※1 CDPについて → https://www.cdp.net
バイオマスエネルギーの活用
バイオマスとは、「再生可能な生物由来の有機性資源」のことを指し、バイオマスから得られたエネルギーをバイオマスエネルギーと呼びます。バイオマスはその成長過程でCO2を吸収しているため、燃焼させても結果的に大気中のCO2の量は増加させないと捉えることができます。
木材チップから紙の原料となるパルプをつくる工程で取り出される黒液もバイオマスエネルギーに分類されます。
関東工場(勝田)では、建築廃材を主な燃料とする木質バイオマスボイラーを稼働しており、工場構内で使用するエネルギーを全てまかなうことができます。さらに、余剰電力については電力会社に販売しています。
当社が保有するバイオマスボイラーの一例
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ガスの利用促進
バイオマスエネルギーだけでは賄いきれないエネルギーについては、化石エネルギーを使用していますが、その中でもCO2排出量の少ないガスの利用を促進しています。関東工場(市川)では1995年にいち早くガス発電を開始、その後新潟工場でガスタービンを導入、長岡工場では工場のボイラーで使用する燃料を全量ガス化しています。
関東工場(市川)のガス排熱ボイラー
エネルギー構成比
エネルギーの転換によって、バイオマスエネルギーや廃棄物エネルギーといったCO2を排出しないCO2ゼロ・エネルギーの比率は全体の70%にまで達しており、これは業界平均の55%を大きく上回る数値となっています。
2021年度のエネルギー構成比(対象:北越コーポレーション)
CO2排出原単位の推移
エネルギーの転換や地道な省エネ活動の取り組みの結果、紙1tを製造する際に排出されるCO2の量を表すCO2排出原単位は、2005年度が632 kg-CO2/紙tであったのに対し、2021年度には419 kg-CO2/紙tとなり、34%の低減を達成しています。
モーダルシフトの推進
北越グループでは、紙・パルプの製造段階だけでなく、原料や製品の輸送段階においてもCO2排出量の削減に努めています。
たとえば、製品の輸送では輸送段階におけるCO2排出量が小さい鉄道コンテナを積極的に採用することで、モーダルシフトを推進しています。同じ量の荷物をトラック輸送から鉄道輸送に切り替えると、CO2排出量は約1/11になると言われています。
チップ専用船の導入
原料となる木材チップはその大半を海外から輸入していますが、その輸送には専用のチップ輸送船を使用しています。北越グループでは、新型のチップ輸送船を積極的に導入しています。
2018年には、最新のエコシップ型のチップ輸送船『スノーカメリア』を導入しました。従来のチップ輸送船に比べ約15%の低燃費を実現することが可能です。
プラスチック代替素材の開発
北越グループでは、プラスチック樹脂の代替品向けの紙素材の活用を広げてます。紙特有の強度やしなやかさ、口に入れた際の舌触りを重視したスプーンの他、マドラーやトングもご利用いただいてます。またリサイクル原料や再生可能な木材パルプ繊維を主原料に生産する「PASCO」やオールセルロースの強靱な材料で製造する「バルカナイズドファイバー」など循環型経済社会に貢献する製品を提供しています。