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電磁波ノイズ抑制シート

幅広い周波数帯で有効な極薄の電磁波ノイズ抑制シート

極薄かつ軽量で、幅広い周波数帯で有効な電磁波ノイズ抑制性能を実現したシートを開発しました。金属粉や磁性体を使用せず、耐腐食性の高いカーボンナノチューブ(CNT)で構成されています。電磁的妨害源とならないこと(EMI)、干渉を受けないこと(EMS)を含むEMC対策に効果を発揮します。厚さが約40μmと薄くフレキシブルであるため、屈曲部分にも使用できます。

当社開発品の特徴

  • 従来に無い幅広い周波数帯で電磁波ノイズを吸収、シールドできる。
  • 厚さが約40μmと薄くフレキシブルであるため、狭小部分や屈曲部分にも使用できる。
  • GHz帯の伝導ノイズを安定して吸収する。
  • kHz〜GHz帯の放射ノイズをシールドできる。
  • 伝送信号への影響が少ない。
  • 過酷な環境下でも性能を維持できる。
写真:電磁波ノイズ抑制シート

写真:電磁波ノイズ抑制シートの使用例(ICチップ、FPC、FFC上に貼る)
電磁波ノイズ抑制シートの使用例(ICチップ、FPC、FFC上に貼る)

電磁波対策の重要性

第5世代移動通信(5G)をはじめとする次世代通信の展開や暮らしを便利にする機器の普及により、電子機器の利用が高密度化し、重要度もますます高まっています。それに伴い、不要な電磁波(ノイズ)が干渉して機器が誤作動することを最小限に抑えるEMC対策も重要性を増しています。

電磁波ノイズの対策としては、回路設計で回避するのが基本ですが、ICチップやケーブルの位置関係で干渉することもあります。そのため、シート状のシールド材や吸収材も使われています。シールドとは電磁波を反射して遮蔽することで、吸収とは吸収材の内部で電磁波を吸収して熱に変換することを意味します。

当社ではカーボンナノチューブ(CNT)の誘電体としての電磁波吸収能に着目し、CNTを基材に塗工した電磁波ノイズ抑制シートを開発しました。ICチップやケーブル上の発生源近傍の伝導ノイズを吸収し、放射する電磁波をシールドする高機能なシートとなっています。

高周波帯で優れた伝導ノイズの吸収

マイクロストリップライン法で、伝送線路における伝導ノイズ吸収効果を評価したところ、当社品は5 GHz以上で安定した吸収を示し、特に10 GHz以上で市販品よりも安定して高い効果を示しました(当社品および4種類の市販品を比較)。今後重要となってくるミリ波帯周波数に対応するノイズが問題となったとしても、高い伝導ノイズ抑制効果が期待できます。

写真:マイクロストリップライン法での伝送減衰率の比較
マイクロストリップライン法での伝送減衰率の比較

幅広い周波数帯で放射ノイズをシールド

放射ノイズのシールド性は、下図に示すようなノイズ基板をノイズ発生源として、電磁波ノイズ抑制シートの有無で放射電波強度がどの程度減少するか評価しました。電磁波ノイズ抑制シートを設けることで、MHz帯から数GHz帯において最大で20 dB程度の放射電波をシールドできることを確認しました(尚、ノイズ基板が無くてもベースラインは10〜40 dB程度となっています)。また、より低周波数のkHz帯においても効果があることを確認しており、ニーズの大きいkHz帯からGHz帯まで幅広い周波数帯でシールド効果が期待できます。

写真:放射ノイズのシールド性評価の概略
放射ノイズのシールド性評価の概略

写真:電磁波ノイズ抑制シート有無での放射電波強度の比較
電磁波ノイズ抑制シート有無での放射電波強度の比較

厚さ40μmを実現したシートの構成と耐環境性

本シートは、表面の保護層とシールのように貼れる粘着層を有していながら厚さが40μmと極薄になっています。薄くフレキシブルであるため、狭小部分や屈曲部分でも使用が可能です。製品形態はロール、シート、ハーフカット済みシート等を想定しています。

ベース基材はフィルムであるため、耐水性も有しています。125℃の高温、−60℃の低温、85℃・85%RH(相対湿度)の高温高湿度等、過酷な環境下に500時間曝しても性能が劣化しないことも確認しています。

問合せ先 北越コーポレーション株式会社 機能材営業本部 商品開発室
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町3-2-2
TEL 03-3245-4544

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