北越コーポレーション株式会社

電磁波吸収体・電磁波ノイズ抑制シート

新しい発想の電磁界制御材料

北越コーポレーションでは、従来からある製紙や塗工技術と、セルロースナノファイバーやカーボンナノチューブなどのナノ材料の構造を制御する技術を融合させ、新たな発想で電磁界を制御する技術を高めてきました。これにより、従来には無かった軽量かつ耐熱性、難燃性を有する電磁波吸収体や、極薄の電磁波ノイズ抑制シートが生まれています。さらに、大学や異業種企業とのオープンイノベーションを通して、これらの技術は日々進化しています。これらにより、例えば宇宙のような過酷な環境下でも通信や機器の信頼性を高め、さらには私たち身の回りの電波環境を安定化させることに貢献できます。

電磁波対策の重要性

第5世代移動通信(5G)をはじめとする次世代通信の展開や暮らしを便利にする機器の普及により、電子機器の利用が高密度化し、重要度もますます高まっています。それに伴い、外部から不要な電磁波が干渉して機器・センサー等が誤作動することや、外部の電子機器へ電磁的な悪影響を与えることを最小限に抑えるEMC(電磁両立性)対策も重要性を増しています。

軽量かつ耐熱性、難燃性を有する電磁波吸収体

特殊繊維の抄紙技術を応用して、無機繊維をベースとした軽量かつ耐熱性、難燃性を有する新規の電磁波吸収体を開発しました。広帯域での電磁波吸収に優れ、過酷な環境での利用も期待されます。特に、航空宇宙分野では機器の信頼性を高めることに加え、軽量であること、難燃性であることが重要な条件となっています。 電磁波吸収とは吸収体の内部で電磁波を吸収して熱に変換することを意味し、表面での電磁波の反射を極力抑えるよう設計されています。

主な特徴

  • 断熱材にも使用されるような無機繊維のシートで構成され、軽量かつ耐熱・難燃であり加工性にも優れる。
  • マイクロ波、ミリ波帯と幅広い周波数帯で吸収性能に優れ、斜め入射においても性能を維持できる。
  • 誘電率が低く、反射波を抑え、近傍の電磁界への影響が最小限に。
  • 切断加工時の粉落ち、経時劣化による粉落ちを低減。
  • 200℃(1週間)、400℃(24時間)の耐熱試験でも外観や吸収性能が変わらず。
  • 性能例 下記反射減衰率を参照(フリースペース法)

無機繊維シートで構成された電磁波吸収材の特徴と性能例を示した図解画像。軽量で耐熱・難燃性があり、マイクロ波からミリ波まで広い周波数帯で吸収性能を発揮し、斜め方向からの電波にも対応する。200℃で1週間、400℃で24時間の耐熱試験後も性能が変化しないことが示されている。下部のグラフは厚さ10ミリメートル品の反射減衰率を示し、周波数4〜90ギガヘルツの範囲でマイナス10〜30デシベル程度の吸収性能を示している。

電磁波吸収体の反射減衰率(厚さ10mm品の一例)

幅広い周波数帯で有効な極薄の電磁波ノイズ抑制シート

極薄かつ軽量で、幅広い周波数帯で有効な電磁波ノイズ抑制シートです。金属粉や磁性体を使用せず、耐腐食性の高いカーボンナノチューブ(CNT)で構成されています。電磁的妨害源とならないこと(EMI)、干渉を受けないこと(EMS)を含むEMC対策に効果を発揮します。厚さが約40µmと薄くフレキシブルであるため、屈曲部分にも使用できます。

主な特徴

  • 従来に無い幅広い周波数帯で電磁波ノイズを吸収、シールドできる。
  • 厚さが約40μmと薄くフレキシブルであるため、狭小部分や屈曲部分にも使用できる。
  • GHz帯の伝導ノイズを安定して吸収する。
  • kHz~GHz帯の放射ノイズをシールドできる。
  • 伝送信号への影響が少ない。
  • 過酷な環境下でも性能を維持できる。
  • 難燃タイプ(UL94 VTM-0)もあり。

オールセルロース材料 "バルカナイズドファイバー"の製品イメージ画像

電磁波ノイズ抑制シートの使用例(ICチップ、FPC、FFC上に貼る)のイメージ図

電磁波ノイズ抑制シートの使用例(ICチップ、FPC、FFC上に貼る)

高周波帯で優れた伝導ノイズの吸収

マイクロストリップライン法で、伝送線路における伝導ノイズ吸収効果を評価したところ、当社品は5 GHz以上で安定した吸収を示し、特に10 GHz以上で市販品よりも安定して高い効果を示しました(当社品および4種類の市販品を比較)。今後重要となってくるミリ波帯周波数に対応するノイズが問題となったとしても、高い伝導ノイズ抑制効果が期待できます。

マイクロストリップライン法で、伝送線路における伝導ノイズ吸収効果を評価したところ、当社品は5 GHz以上で安定した吸収を示し、特に10 GHz以上で市販品よりも安定して高い効果を示しました(当社品および4種類の市販品を比較)。今後重要となってくるミリ波帯周波数に対応するノイズが問題となったとしても、高い伝導ノイズ抑制効果が期待できます。

マイクロストリップライン法による伝送減衰率の比較グラフの画像。横軸は周波数(ギガヘルツ)、縦軸は伝送減衰率(デシベル)を示し、複数の材料の性能を色の異なる線で比較している。青色の線で示された当社品は、周波数の上昇に伴い減衰率が増加し、おおむね20〜35デシベル程度の範囲で安定した高い減衰性能を示している。

マイクロストリップライン法での
伝送減衰率の比較

幅広い周波数帯で放射ノイズをシールド

放射ノイズのシールド性は、下図に示すようなノイズ基板をノイズ発生源として、電磁波ノイズ抑制シートの有無で放射電波強度がどの程度減少するか評価しました。電磁波ノイズ抑制シートを設けることで、MHz帯から数GHz帯において最大で20 dB程度の放射電波をシールドできることを確認しました(尚、ノイズ基板が無くてもベースラインは10~40 dB程度となっています)。また、より低周波数のkHz帯においても効果があることを確認しており、ニーズの大きいkHz帯からGHz帯まで幅広い周波数帯でシールド効果が期待できます。

左側にノイズ基板と抑制シートと受信アンテナの関係を示す模式図、右側に電波暗室内での実際の測定風景の写真を配置した電磁波ノイズ抑制シートの測定実験についての画像。

放射ノイズのシールド性評価の概略

周波数(MHz)とレベル(dB)の関係を示すグラフ。左は100〜1000MHzのMHz帯、右は1〜3GHzのGHz帯。灰色の線はノイズ基板のみ、青色の線はノイズ基板に電磁波ノイズ抑制シートを追加した場合。全体的に青色の線の方が低く、シートを使用すると放射電波ノイズが低減していることを示している。

電磁波ノイズ抑制シート有無での放射電波強度の比較

厚さ40μmを実現したシートの構成と耐環境性

本シートは、表面の保護層とシールのように貼れる粘着層を有していながら厚さが40μmと極薄になっています。薄くフレキシブルであるため、狭小部分や屈曲部分でも使用が可能です。製品形態はロール、シート、ハーフカット済みシート等を想定しています。 ベース基材はフィルムであるため、耐水性も有しています。125℃の高温、-60℃の低温、85℃・85%RH(相対湿度)の高温高湿度等、過酷な環境下に500時間曝しても性能が劣化しないことも確認しています。

お問い合わせ

北越コーポレーション株式会社 機能材営業本部 商品開発室
〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町3-2-2
03-3245-4544

産業用製品比較情報サイト「メトリー(Metoree)」の弊社ページにも掲載されています。

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